#法規・認証
2025.05.12
機能性表示食品とは何か?メリットや届出の流れをわかりやすく解説

機能性表示食品の開発や製造を検討している企業にとって、制度の仕組みや届出の流れを理解することは重要です。本記事では、機能性表示食品の基礎知識や、特定保健用食品(トクホ)・栄養機能食品との違い、届出に必要な資料や手続きについて解説します。また、届出の負担を軽減するための専門家の活用についても紹介し、スムーズな市場投入を支援します。
機能性表示食品とは?
機能性表示食品は、健康の維持・増進に役立つことを表示できる保健機能食品の一つです。事業者が、安全性と機能性に関する科学的根拠基づき消費者庁に届け出ることで、「◯◯の機能をサポートする」などの特定の保健の機能性をパッケージに表示できます。この制度は2015年に開始され、国の審査を必要とせず、企業の責任で機能性を表示できる点が特徴です。これにより消費者は、自身の健康ニーズに合った商品を選択しやすくなっています。
その他の保健機能食品との違い
保健機能食品には、機能性表示食品の他に、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品などがありますが、表示の根拠となる科学的データや、国による関与の度合いに違いがあります。
特定保健用食品(トクホ)との違い
機能性表示食品と特定保健用食品(トクホ)との違いは、承認プロセスにあります。特定保健用食品(トクホ)は、特定の保健機能が科学的に証明されており、製品ごとに消費者庁の審査・許可を受ける必要がある点が機能性表示食品と異なります。トクホの表示は国の審査を通過したもののみ認められるため、安全性や有効性の信頼性が高いとされています。一方、機能性表示食品は企業が科学的根拠を基に届け出しますが、国の審査は不要なため、比較的短期間で市場投入が可能です。届け出た情報は消費者庁のウェブサイト内で公開されています。
栄養機能食品との違い
栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなど国が指定した栄養成分を基準量含む食品で、不足しがちな栄養素の補給を目的としています。こちらは届出自体も不要で、国が定めた文言で機能表示が可能です。これに対し、機能性表示食品は、届出が必要ですが、ポリフェノールや乳酸菌など幅広い成分の機能を科学的根拠に基づき表示できる点が異なります。
機能性表示食品のメリット
消費者に安心と信頼感を与えることができる
機能性表示食品は、消費者に安心と信頼感を与えることができます。事業者が安全性と機能性に関する科学的根拠を消費者庁に届け出ているため、受理の際に消費者庁の確認を受けることで一定の透明性が確保されているからです。特に健康意識の高い消費者は、科学的根拠に基づいた情報を重視する傾向があり、機能性表示食品を選ぶ際の重要な判断材料となります。また、消費者庁のルールに則った適正な表示が求められるため、誇大広告のリスクが低く、安心して選べる商品として市場での評価が高まります。
同市場にある一般食品との差別化が可能になる
機能性表示食品は、同市場にある一般食品との差別化が可能です。健康効果を目的とした食品であっても、機能性表示食品でない場合はその機能性を示すことができません。一方、機能性表示食品は、科学的根拠に基づいた機能性を表示できるため、消費者の選択肢に入る可能性が高まります。例えば、同じ乳酸菌飲料でも「腸内環境を改善する」といった機能性が表示できれば、消費者の関心を引きやすく、購買意欲を高めることができます。競合商品が多い市場において、機能性表示は製品の独自性を際立たせ、優位性を確立するための有効な手段となります。
さらに、特定保健用食品(トクホ)と比べると、機能性表示食品は手続きが簡便であることで、多様な商品開発が可能です。その結果、登録食品数も増やしやすく、消費者に対して味や形状など好みに応じて選択肢を広げられる点も魅力です。
機能性表示食品の届出の流れ
機能性表示食品の届出は、まず消費者庁のウェブサイトにおいて、事業者に関する基本情報を届け出ることから始まります。次に、届出の手引きなどをよく確認し、必要な情報を揃えて機能性表示食品の届出を行います。
提出した届出に不備があった場合、消費者庁から差し戻しがあります。この場合、指摘された箇所を修正し、再度提出する必要があります。
届出が無事に受理されると、その情報は消費者庁の機能性表示食品制度届出データベースで公開されます。販売後も、届出内容に変更が生じた場合(例えば、届出資料の変更や販売終了など)は、速やかに変更届や撤回届を提出する必要があります。
機能性表示食品の届出には様々な資料が必要になる
機能性表示食品の届出には、安全性、機能性の根拠、製造・品質管理体制、健康被害の情報収集体制など、多岐にわたる資料が必要です。具体的には、安全性の確認には既存情報の評価や試験データ、機能性の根拠としては臨床試験や研究レビューのデータ、製造工場や品質管理に関する情報、健康被害発生時の対応フローなどが求められます。これらの資料を網羅的に、かつ正確に準備する必要があり、専門知識が不可欠です。
そのため、機能性表示食品の届出は自力で行うよりも、専門家のサポートを受けることをおすすめします。専門家は、制度の最新情報を熟知しており、適切な資料作成や手続きをサポートしてくれます。これにより、届出の不備による差し戻しを避け、スムーズな届出と、その後の事業展開を期待できます。
備前化成では機能性表示食品の開発製造から届出までサポート可能
備前化成の機能性表示食品OEMサービスは、機能性表示食品の開発から製造、そして届出までをトータルでサポートします。
まず、原料選定の段階からお手伝いいたします。機能性表示食品に使用したい基原原料があれば、その抽出・粉末化の過程から支援することでオリジナル素材での開発も可能です。
製品設計においては、処方設計、試作、剤型や味付けの提案、機能性関与成分量の確保、経時安定性確認などを実施します。
届出に関しては、届出書類の作成サポート、消費者庁への対応アドバイスなど、細やかなサポートを提供し、オンライン届出の支援も可能です。最新の届出事情に沿ったサポートができるよう、情報を日々更新しております。
製造段階では、健康食品GMP認証を取得した工場で、製品の品質と安全性を確保するための基準を遵守し、高品質で安全な製品を製造します。原材料の仕入れから出荷までの工程において、ルールに基づいて製造管理・品質管理を行います。
受理後も、必要となる対応事項へのサポートや制度改正情報を提供するなど、継続的なフォローアップを行います。
このように、備前化成では、製品のアイデア段階から市場投入までの全過程をトータルでサポートし、クライアントが安心してビジネスを展開できる環境を提供しています。
まとめ
機能性表示食品は、科学的根拠に基づき健康の維持・増進に役立つ機能性を表示できる食品です。国の審査が不要なため、比較的早く市場投入できますが、安全性や機能性の根拠を消費者庁に届け出る必要があります。届出には専門知識が必要となるため、専門家のサポートが有効です。備前化成では、開発から製造、届出まで一貫したOEMサービスを提供し、企業の機能性表示食品ビジネスを支援します。