#法規・認証
2025.03.21
GMP認定工場とは?

製品の品質と安全性を確保するために不可欠な基準のひとつが「GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)」です。本記事では、GMPの基本的な概要と、GMP認定工場の特徴を詳しく解説します。医薬品、化粧品、健康食品などの製造に関わる方や、安全な製品を選びたい消費者に向けて、GMP認定工場がなぜ重要なのか、その信頼性について分かりやすく説明します。
さらに、GMP認証を取得するメリットにも触れ、製品の品質管理に関する幅広い知識を提供します。安全で高品質な製品を手に入れたい方、または製造の現場で品質管理を強化したい方は、ぜひ参考にしてください。
GMPの基礎知識
そもそもGMPとは?
GMPとは、医薬品や食品、化粧品などの品質を確保するための製造管理・品質管理基準です。原材料の受け入れから製造、包装、出荷までの全工程において、人為的なミスや異物混入、品質のばらつきを防ぐためのルールが定められています。
GMPは、医薬品、医薬部外品、化粧品、健康食品など、消費者の健康に影響を与える可能性のある製品の製造において重要視されています。GMPが遵守されていることで、製品の品質と安全性が確保され、消費者は安心して製品を使用することができます。
GMPの主な種類
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医薬品GMP
医薬品GMPは、医薬品の品質を確保し安全で有効な製品を提供するための基準です。日本では「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(GMP省令)」として法制化されており、各製造施設が遵守すべき詳細な事項が設けられています。施設の衛生管理、従業員の教育、製造工程の記録・管理、品質試験の実施などが求められ、調査当局による定期的な調査によって適切な運用が確保されています。
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化粧品GMP
化粧品GMPは、化粧品の安全性と品質を確保するための製造管理基準です。日本では「化粧品適正製造基準(ISO 22716)」が採用されており、原材料の選定から製造、品質検査、保管、流通までの各工程を厳格に管理することが求められます。化粧品は直接肌に使用されるため、微生物汚染の防止や成分の安定性確保が重要です。GMPを遵守することで安全な製品を提供でき、消費者は安心して化粧品を使用することができます。
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健康食品GMP
健康食品GMPは、サプリメントや機能性表示食品などの製造管理・品質管理基準です。医薬品ほどの厳格な規制ではないものの、安全性の確保が重要視され、異物混入の防止や成分の均一性確保が求められます。日本では厚生労働省による「錠剤、カプセル剤等食品の製造管理及び品質管理(GMP)に関する指針(ガイドライン)」に基づき、公益財団法人日本健康・栄養食品協会などが、健康食品GMPの基準を作成しています。健康食品GMPを遵守することで、消費者は安全で高品質な健康食品を選ぶことができます。
GMP認証を取得するメリット
医薬品GMPは法制化された守らなければならない基準ですが、その他についてもGMP認証を取得することで、メーカーは製品の品質と安全性を保証し、消費者からの信頼を獲得することができます。また、GMP認証は、取引先や海外市場からの信頼性向上にもつながります。GMP認証を取得していることは、企業が品質管理に真摯に取り組んでいることの証明となり、企業イメージの向上にも貢献します。さらに、GMP認証取得のプロセスを通じて、製造工程や品質管理体制の見直しを行うことで、業務効率の改善にもつながる可能性があります。
GMP認定工場とは?
GMP認定工場とは、GMP(適正製造規範)の基準を満たし、品質と安全性が確保された製品を製造できると認められた工場のことです。これらの工場は、衛生管理の徹底、設備の適切な維持管理、従業員の教育、製造工程の記録管理など、厳格な基準のもとで運営されています。
設備の特徴としては、異物混入を防ぐ清浄エリアの設置、交差汚染を防ぐ専用設備の使用、原材料や製品の品質を維持するための温湿度管理などが挙げられます。また、製造ラインは汚染や混入を防ぐ設計となっており、衛生区域の区分けや、作業員の入室時の手洗いや防護服の着用等が義務付けられています。
このような環境で製造されることで、製品の品質が均一に保たれ、消費者に安全な製品を提供できます。GMP認定工場は、医薬品、化粧品、健康食品などの分野で高い信頼性を確保し、市場競争力の向上にも寄与します。
安心・安全な製品をつくるならGMP認定工場で
安心・安全なサプリメントや健康食品を製造する上で、GMP認証を取得した工場を持つメーカーを選ぶことは非常に重要です。GMP認証は、原材料の受け入れから製造、出荷に至るまでの全工程において、品質と安全性が確保されていることを証明するものです。GMP認定工場では、厳格な基準に基づいた設備、管理体制、従業員の教育が徹底されており、消費者は高品質な製品を安心して手にすることができます。
さらに、GMP認証に加えてFSSC22000を取得しているメーカーでは、サプライヤー評価やフードディフェンス体制も備えていると言えます。FSSC22000は、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であり、HACCP(危害要因分析重要管理点)を含む包括的な管理が求められます。これらの認証を取得していることは、メーカーが品質と安全性を最優先に考えていることの証であり、より信頼性の高い製品づくりに繋がります。
備前化成はGMP認証を取得した工場を保有
備前化成では、医薬品関連では医薬品GMP適合性調査およびFDA原薬(中間体として)GMPをクリアしており、健康食品関連では健康食品GMP(原材料・製品)およびFSSC22000(製剤工場)の各認証を、それぞれの対象工場にて取得しています。
医薬品や健康食品など多岐にわたる製品分野において国際的な高い品質力を保有しており、お客様の期待に応える安全で高品質な製品を提供できる環境を整えています。
特にサプリメントや健康食品の分野では、消費者の安全意識が高まっており、より安心・安全な製品づくりのためのさらなる改善にも積極的に取り組んでおります。
まとめ
GMP認定工場は、製品の品質と安全性を確保するための厳格な基準を満たした工場です。医薬品、化粧品、健康食品などの分野で重要視され、適切な製造管理と品質管理が行われています。GMP認証を取得することで、企業は信頼性を向上させ、安全な製品を提供できます。安全で高品質な製品を選ぶ際は、GMP認定工場で製造されたものを選ぶことが重要です。