サプリメント(健康食品)のODMとは何か?メリット・デメリット、依頼する際の流れを解説

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サプリメントを作る際、どんな製品を作りたいか具体的なイメージを持っていても、それを製品設計に落とし込むためにはそれなりの知識と経験が必要になります。そんな時に助けになるのが、サプリメントのODMメーカーです。この記事ではサプリメントODMのメリット・デメリット、ODMメーカーの選び方と依頼の流れについて解説します。

製品企画・設計・開発から製造まで!備前化成のサプリメント・健康食品OEMサービス

サプリメント(健康食品)のODMとは?

サプリメント(健康食品)ODMOriginal Design Manufacturing)とは、製品の企画・設計・開発段階から製造までを委託会社に一括して依頼するサービスです。委託先会社は、製品の設計や成分、原材料の提案も含めたサポートを提供します。そのため、ノウハウが少ない企業でも市場競争力のあるオリジナル商品を展開しやすい点が特徴です。

ODMによく似た言葉でOEMOriginal Equipment Manufacturing)がありますが、OEMは依頼主が企画・設計・開発した製品の製造のみを委託するものです。ODMは独自性の高い製品開発が可能ですが、OEMはその開発コストや時間を削減し、比較的短期間で商品展開が可能になります。

  

サプリメント(健康食品)ODM3つのメリット

健康食品を開発製造するためのノウハウ・設備が不要

健康食品の開発・製造には、専門的な知識や技術、そして適切な設備が不可欠です。自社でこれらを全て揃えるとなると、多大な時間とコストがかかりますが、ODMを利用すれば、これらの課題を解決できます。 

ODMメーカーは、健康食品の原材料の選定、配合の最適化、品質管理、製造プロセスなど、複雑な工程の開発・製造に関する豊富なノウハウと最新の設備を有しています。そのため、自社での専門家育成や、高額な設備投資をする必要はありません。

これにより、健康食品業界に新規参入する企業や、既存の事業を拡大したい企業が、迅速かつ効率的に製品を市場に投入できます。専門性の高い分野に参入することへのハードルを低くし、ビジネスチャンスを広げることができます。

ご自身で健康食品を開発する場合と比べて費用を抑えられる

健康食品の開発・製造を自社で行う場合、様々なコストが発生します。たとえば、研究開発費、原材料費、製造設備費、人件費、品質管理費など、多岐にわたります。これらの費用は、製品の販売価格に反映されるため、価格競争力に影響を与える可能性があります。

一方、ODMを利用すれば、これらのコストを大幅に削減できます。ODMメーカーは、原料調達においてスケールメリットを出しやすいことや、効率的な開発製造プロセスによりコストを抑えることができます。また、専門的な知識や技術を持つ人材を抱えているため、初期投資を大幅に削減し、高品質な製品を開発することが可能です。

このようにODMを活用することで、自社で開発・製造する場合に比べて、費用を抑えながら高品質な健康食品を提供することができます。

メーカーのサポート範囲が広い

サプリメントODMの大きなメリットの一つとして、メーカーのサポート範囲の広さが挙げられます。ODMメーカーは、製品開発の初期段階から深く関与し、様々な面でサポートを提供します。

たとえば、製品コンセプトの立案、効果的な成分配合の提案、安全性や有効性の確認、原材料選定、パッケージデザイン、販売戦略など、多岐にわたる分野で専門的なアドバイスを受けることができます。

また、法規制や安全性に関する情報提供も行っており、安心して製品開発を進めることができます。さらに、製造段階においても、品質管理や製造工程の最適化など、きめ細やかなサポートを受けることが可能です。

これにより、自社に十分なノウハウや人材がない場合でも、専門家のサポートを受けながら、高品質なサプリメントを開発・製造することができます。製品の改良や新製品の開発においても継続的なサポートが得られ、ブランドの成長と拡大を効果的に進められます。

このような包括的なサポートにより、自社リソースを最小限に抑えつつ、競争力のある製品展開が可能となります。

  

サプリメント(健康食品)ODM2つのデメリット

サプリメント(健康食品)開発のノウハウを蓄積できない

ODMは、企画・設計・開発段階から製造までを委託会社に一括して依頼するため、自社にサプリメント開発のノウハウが蓄積されにくいという側面があります。委託会社に依存する形になるため、自社で製品開発の知識や経験を蓄積することが難しいのです。

したがって、将来的に自社でサプリメント開発を行いたいと考えている場合には、ODMが必ずしも適しているとは限りません。

設計から開発、製造までに一定の時間がかかる

ODMサービスは、製品の企画から製造までを一貫して請け負い多くのステップを経る必要があるため、製品化までに時間がかかる傾向があります。

ODMでは、委託会社との連携が不可欠であり、製品のコンセプト決定から処方開発、試作、製造、品質管理といった各段階において、密なコミュニケーションが必要です。そのため、どうしてもある程度の期間が必要となります。

特に、初めてサプリメント開発を行う場合や、特殊な処方や原材料を使用する場合、機能性表示食品を製造する場合には、より多くの時間が必要となることがあります。製品の発売時期が決まっている場合には、スケジュールに余裕を持ってODMメーカーとの連携を進める必要があります。

  

サプリメント(健康食品)ODMの流れ

サプリメント(健康食品)のODMを依頼する際の流れは、以下のようになります。

お打合わせ

最初のステップでは、依頼者の要望や商品イメージを詳細にヒアリングします。ターゲット層、製品コンセプト、希望する成分やデザイン、製造ロット数などを具体的に確認し、方向性を共有します。この段階で自社の要望やイメージを明確に伝え、しっかりとしたコミュニケーションを行うことが成功の鍵となります。

製品企画

ヒアリング内容をもとに、製品の企画を進めます。ODMメーカーが、配合成分や原材料を選定し、製品の企画を提案します。品質とコストバランスを考慮しながら具体的な設計を進めます。

お打合わせ

提案された製品企画案をもとに、再度詳細な打ち合わせを行います。成分や配合バランス、ターゲット層に適した剤形、味や飲みやすさなどについてさらに細かく調整します。修正点や要望を伝え、製品内容を具体的に詰めていきます。

試作/製造条件取り

製品内容が固まったら、試作品の作成を申し込みます。試作品は、実際の製品に近い形で作成され、味や香り、食感などを確認することができます。また、製造性の確認、品質管理基準の設定や安定性試験などが行われます。

最終製品仕様の決定

試作の結果を踏まえ、最終的な製品仕様を決定します。製造ロット数やコスト面を確認し、見積書が提示されます。

資材準備

製品仕様に基づき、必要な原材料や容器などの資材を準備します。ODMメーカーによっては事前に製品の一括表示と栄養表示の提案サポートを受けることもできます。資材発注は、ODMメーカーが手配する場合と、自社で手配する場合があります。資材の手配には時間がかかることがあるため、スケジュール管理が重要です。特に特注資材の場合は早めの手配が必要です。

製品製造

決定した製品仕様と製造条件に基づき、工場で実際の製品製造が開始されます。ODMメーカーでは責任を持ってバルク(内容物)の生産から充填、パッケージングまで一貫して高い品質管理基準のもとで進められます。

製品完成

完成した製品は、最終検査を経て出荷準備が整います。規格に基づいた内容物や外装の品質確認が行われ、合格したもののみが出荷許可されます。

納品

最終検査に合格した製品は指定された場所へ納品されます。この段階で依頼者の手元に製品が届き、市場投入の準備が完了します。納期管理も重要なポイントです。また、ODMメーカーによっては納品後も製品に関する問い合わせやサポートを受けることができます。

上記は一般的な流れであり、ODMメーカーや製品内容によって異なる場合があります。

  

サプリメント(健康食品)のODMメーカーの選び方

ODMメーカーは、自社ブランドの製品を開発・製造してくれるパートナーです。サプリメント(健康食品)のODMメーカー選びは、製品の品質や安全性、開発期間、コストなどに大きく影響するため、慎重に行う必要があります。以下に、サプリメントODMメーカー選びで重要なポイントをご紹介します。

製造できる剤形の種類が豊富か

サプリメントには、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ドリンクなど、様々な剤形があります。消費者のニーズや製品コンセプトに合わせて、適切な剤形を選ぶことが重要です。特に、最近では飲みやすさを重視した製品が求められているため、希望する剤形が製造できるかどうかは重要なポイントです。

そのため、ODMメーカーが製造できる剤形の種類が豊富であるほど、より幅広い製品開発に対応できます。また、複数の剤形を扱えるメーカーであれば、剤形変更やラインナップ拡充の際にもスムーズに対応できるでしょう。

原料の取り扱いが豊富か

サプリメントの原料は、その品質や安全性に大きく影響します。ODMメーカーが、様々な種類の原料を取り扱っているか、あるいは多様な供給ネットワークを持っているか、また、品質の高い原料を安定的に調達できるかを確認することが重要です。

特に、機能性原料や特殊な原料を使用する場合、その原料の調達ルートや品質管理体制について、ODMメーカーに詳しく確認しましょう。

開発製造の実績が豊富か

サプリメントの開発・製造には、専門的な知識や技術が必要なため、ODMメーカーが、十分な開発製造の実績を持っているかを確認することが重要です。

実績豊富なメーカーは、配合率や成分の調整、原材料の調達などに関する深い知識を持ち、信頼性と安心感を提供します。製品の企画から製造、品質管理に至るまでのプロセスにおいて、ノウハウや経験が蓄積されているため、トラブルが発生しにくく、スムーズな生産が期待できます。

また、ODMメーカーの得意分野や強みなども確認しておくと、自社の製品開発に合ったメーカーを選びやすくなります。

品質管理体制が整っているか

ODMメーカーが厳格な品質管理体制を持っているかどうかは、製品の安全性や効果に直結します。GMPGood Manufacturing Practice)やISO認証を取得しているか、定期的な品質テストを行っているかなど、品質管理の基準を確認することが重要です。

サポート体制が充実しているか

製品開発において、技術的なサポートやアドバイスが受けられるかどうかも重要です。顧客のニーズに応じた提案や、機能性表示食品への対応や特許申請のサポートなど、専門的な知識を提供できるメーカーは付加価値が高いといえます。製品が成功するためのサポートを提供できるメーカーを選ぶことが望ましいです。

また、コミュニケーションのしやすさも製品化を進める上では重要なポイントとなります。こちらの要望や質問に対して、迅速かつ丁寧に対応してくれるかを確認しましょう。

  

まとめ

サプリメントのODMは、製品企画・設計・開発から製造までを一括で委託できるサービスです。これにより、専門知識が少ない企業でも製品を市場展開しやすくなります。ODMのメリットには、ノウハウや設備が不要、開発コスト削減、広範なサポートなどがあります。一方、ノウハウが蓄積しにくい、製品化まで時間がかかるというデメリットもあります。ODMメーカー選びでは、製造剤形の多様性、原料の取り扱い、実績、品質管理体制、サポート体制が重要です。自社に合ったメーカーを選びましょう。

製品企画・設計・開発から製造まで!備前化成のサプリメント・健康食品OEMサービス